まだ夜が明けないうちから収穫され、鮮度の高い状態で私たちの元に届けられる「くろほのレタス」。みずみずしく、シャキシャキ、パリッとした歯触りは格別で、毎年楽しみに待っているファンもたくさん。JA利根沼田久呂保レタス部会長の角田さんに、おいしさの秘密を伺いました。
くろほのレタスの生産地「昭和村」は群馬県北部に位置する利根郡の最南端、赤城山の北西麓に広がっています。軽石が多く水はけの良い土壌で、昼夜の寒暖差もあることから、昔からレタスをはじめ、さまざまな野菜がおいしく育つ地域です。

角田さんは、こう話します。「レタスは手のかかるデリケートな野菜。畑に植え付けるための苗が育つまではハウスの中での温度管理が欠かせません。畑に植えてからも害虫が付いたり病気にならないように気を配ります。また、乾燥はもちろん、雨が降りすぎても根がダメになってしまうため、とにかく先手先手で土づくりを行い、根が丈夫に育つ工夫をしています」
土づくりがおいしさに直結。手間を惜しまず行う
レタスを作る畑は前年の秋から土づくりを始めます。「緑肥」といって、植物そのものを肥料の一部として使う方法です。育った麦を機械で砕いて土に敷き込むことで、有機成分のたっぷり入った土壌ができます。この土づくりには半年くらい時間をかけます。
収穫は時間との闘い。朝日が昇る頃には出荷

収穫は、レタスの水分が飛ばないように、夜中の2時半頃からスタート。刈り取ったレタスは、ヘタの色が赤く変色しないように切り口を水洗いして4時には集荷場へ搬入。集荷場では真空予冷機でレタスの芯温を更に下げて出荷されます。「暗い中での収穫は、ライトの明かりの下、地面に膝をついた姿勢で作業しますから、腰が痛くなりますね(笑)。でも、おいしさのためには『ベストな収穫時期』を絶対に外したくないので、大雨だろうと台風だろうと、そこはもう頑張りどころです。また、レタスを作るうえで『これでいい』ということはありません。出荷時には、『やっと育ってくれたな』と、子どもが成人を迎えたときのような気分になります。
『くろほのレタスは、外葉が青々している!』とよく言われますが、この外葉は、輸送時に内側のやわらかい葉を守ってくれる『天然の食べられる梱包材』という思いで出荷しています。少しかためですが、炒め料理などで、余すことなく召し上がっていただければうれしいです」と話す角田さん。
初夏限定の「くろほのレタス」をぜひ味わってみてください。
生産者のおすすめレシピ

外葉をざく切りにして、フライパンでベーコンと一緒に炒めて、塩・こしょうをふる。
やわらかい葉は、シンプルなサラダに。スライスした玉ねぎ、ツナをのせて。


レタスのレシピは他にも♪
・豚肉とレタスのソース炒め
・カリカリじゃことナッツのレタスサラダ
・レンチン肉みそのレタス包み
・レタスの煮浸し
最後まで読んでいただきありがとうございました。ぜひ次回も「ゴハンのもとを作るヒトビト」をお楽しみください。
ゴハンのもと編集部