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消費者にも、生産者にも、環境にもやさしい栽培方法で、おいしい農作物を作る。

「ケーン」、キジの鳴き声が間近で聞こえ、一面の玉ねぎ畑の眼下には穏やかなたたずまいの有明海。自然豊かな島原半島にながさき南部生産組合はあります。

1975年 島原の5人の青年農業者から始まった環境保全型農業

1975年、代表の近藤一海(こんどうかずみ)さんの呼びかけで5名の青年農業者が有機農業と産直をめざして、組合を発足しました。1970年代、有明海をはさんだ対岸の水俣の漁民は漁業で生活ができなくなっていました。4大公害病の一つ、水俣病です。水俣病の症状に苦しみ、生活の糧である海まで奪われた水俣の人たちを見て、近藤さんは思いました。「水銀を農薬に置き換えれば、農業も漁業も同じだ。」と。この思いが「ながさき南部生産組合」の出発点になっています。

半年にわたる雑草との格闘の日々

土の健康を守るため、化学合成農薬や化学肥料をなるべく使わない。それは種まきから収穫までの約半年、雑草との絶え間ない闘いを意味します。土に黒いシート(マルチシート)を畑全面に覆って雑草が生えるのを抑えていますが、それでも土が元気なので玉ねぎと同じように、雑草もすくすくと生えてしまいます。その雑草を一本一本、冬でも引き抜く作業が欠かせません。1週間続けると爪がはがれてしまうこともあるほど辛い作業です。

玉ねぎの葉が倒れたら、収穫の合図。玉ねぎの大きさはまちまちなので、手作業で一本一本抜いていきます。また、見栄えをよくするために玉ねぎの根を一つ一つハサミで短く切る「根切り」という作業が続きます。広大な玉ねぎ畑で、膨大な数の玉ねぎ一つ一つを手に取り、根を切る。根気のいる作業です。

畑の栄養ドリンクは花?

玉ねぎ畑のすぐ脇に一面紫色に染まった畑がありました。実はこの可愛らしい花(ハゼリ草)は緑肥と言われる有機質肥料の一つです。有機質肥料とは稲わら・もみ殻・鶏ふん・牛糞など自然にあるものを熟成発酵させたものの総称です。このハゼリ草も種まきの時期が来たら、土と一緒に漉き込んで土を元気にする肥料となります。実はひまわりもこの緑肥にあたるそうです。ひまわり畑が多い理由はそんなところにもあったようです。

ながさき南部生産組合の思いは次の世代へ

手間を惜しまず、愛情を込めてつくった野菜を消費者の皆さんに。何よりも自分たちや自分の子どもが安心して食べることができるものを、自信を持って皆さんの食卓に届けたい。そしてながさき南部生産組合の野菜を食べた人たちによって自分たちも支えてもらう。
消費者の皆さんの食べるものを、自分たちも一生懸命支える。そういうつながりをこれからも続けていきたい。その思いは次の世代に着実に引き継がれています。

ファームステイを通して触れる、ながさき南部生産組合の思い

ながさき南部生産組合は、長年にわたりユーコープの産直野菜を生産しています。
ユーコープとの取り組み、農業に対する思いや栽培方法がユーコープのめざす方向と一致していることから、2010年3月、ユーコープはながさき南部生産組合を「まるごと産直」産地と認定し、生産している全農産物をコープの産直品と位置づけ、多種類の農産物の取り扱いを始めました。

下記は生産者のお宅に泊まり込んで農業体験をする「ファームステイ」の様子。おうちCO-OP職員を対象に2009年から毎年実施し、2019年までに約60人が参加しました。

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